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特別ルール [特別ルール]

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「今まで話して来た特別ルールとは少し違うのだけど、高校や大学の推薦入試もある意味特別ルールだと思わないか?」
「そうね一般入試の前に合否が決まるから、リスクを避けてランクを落としてでも私立の推薦を狙う人が増えてるみたい、推薦制度は昔から有ったの?」
「制度として何時から始まったのかは分からないが、一般入試とは別の形でと言うのは色々有ったのでないかな、特に私学では。」
「もしかして寄付金を暗に要求されるとか?」
「絶対無かったとは言い切れないだろ、暗にでは無く堂々とかも。」
「そっか、私学だと…、でも、今は寄付によって合格を買うような行為は許されないよね。」
「勿論さ。」
「スポーツ推薦も有るけど、どうなのかしら?」
「そうだな、学力を軽視する場合も有るみたいだが、スポーツ推薦で有力な選手を集めることでチームを強くし学校の広告塔にとか、特に高校に於ける部活動の有り方としては賛否が分かれる所だな。
 ただ、学校改革の一助になってる場合も有るだろうし、スポーツ選手としての実績は学力とはまた違った意味を持つだろ。」
「学力に関係なく自分の進路をスポーツで切り開いて行けるので有れば、それはそれで良いのよね。」
「上手く行く人がいれば行かない人も、その辺りは人生様々で仕方のない事だとは思うが。」
「一般入試と推薦入試、どちらを選んでも何かしらのリスクはあるものね。」
「ああ、随分前の話だが推薦入試で公立の進学校に入学した子が学校での成績は最下位レベルだと話してたよ、真面目さで推薦して貰って合格したのだけど学力的には厳しかったみたいなんだ。
 それでもそれなりに進学して…、その経験がその後の人生にどう影響したのかまでは分からないけどね、ただ、どうしてもついて行けなくて留年や退学と言う事例も有るそうだよ。」
「中学では推薦を受けられるぐらいに優秀な成績だったとしても、進学校には優秀な人が集まるし、中学校間の格差も有る、人物的に素敵な人が学力も優秀とは限らないと言う事でしょ。」
「だよな、まあ、推薦入試と言っても様々で、そこそこ良い私立高校入学した子は姉妹揃ってトップクラスで卒業した。
 彼女は付属中学から上がって来た子達と高校入試組とではかなりの差が有ると話してたよ。
 今は中高一貫クラスと高校からのクラスに分かれる所が少なくないみたいだけどね。」
「私は学力勝負の公立進学校一般入試だったからよく分からないけど、中学時代の同級生と話してると高校によって随分違うと感じるわ。
 それぞれが自身の通う高校に満足出来ていれば良いのだけど。」
「学力的について行けなくて退学せざるを得なくなるほどの高校に合格してしまうのは問題だが、推薦であれ一般入試であれ、入学後をどう過ごすかが大切で、その後の人生にプラスになる何かを経験出来れば良いと思うよ。
 入試で人生の全てが決まってしまう訳では無いのだからな。」
「自分に合うと思って受験しても実際に通ってみないと分からないものね。
 県内トップクラスの私立に落ちて同級生になった人は、共学で良かったと高校生生活を謳歌してるけど、隣のクラスで同じパターンの人は未だに不本意だったと嘆いていたりしていてさ。
 うちの高校にだって有名医大に合格した先輩が何人もいるのだけどね。」

2021-03-10
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「亜紀、昨日将棋の朝日杯準決勝と決勝が有ってな。」
「知ってる、藤井聡太…、えっと…、藤井聡太二冠と呼べば良いのよね?」
「ああ、見事優勝したのだけど、凄い逆転劇だった。」
「そんなニュースは目にしたけど…。」
「準決勝では渡辺名人相手に、AIの評価では負けに近い所まで行ってしまい、私は負けになるまでどれだけ粘れるのか見ておこうと藤井さんの負けを覚悟して見ていたんだ。
 そしたら渡辺名人の一手でAIの評価が一気に大逆転、劣勢の中必死で逃げてた玉将が逃げ延びたと言う感じかな。」
「へ~。」
「AIによる評価値頼りの見る将を興奮させる一局だったのだけど、改めて将棋AIについて考えることにもなってね。」
「そのAIはどちらが優勢かを判断するものなのよね、人間がコンピューターに勝てなくなって…。」
「実際に強い棋士でも勝てなくなったと言うのは将棋ソフトの話しだけど、AIの性能向上が関係してるのは間違いないのかな。
 でね、最近少し驚いたのは、将棋中継をしているAbema将棋チャンネルで使ってるパソコンのスペックが、二月九日から藤井さんが使ってるパソコンと同等のレベルに上げられたと言うことなんだ。」
「どういうこと?」
「それまでは、お金に余裕が有れば個人でも持てるレベルよりかなり低いスペックのパソコンを使ってたと言うこと、まあ予算の関係も有ったのだろうけどね。」
「それで?」
「性能が上がったと言うAIの表示を見ていて思い出したのは、棋士が将棋ソフトに勝てなくなったと言う事なのだけど、ここで特別ルールを作れば更に将棋を面白く出来ると思ってさ。」
「将棋の特別ルールってことなのね。」
「コンピューターとの対戦に於ける特別ルールだよ。
 コンピュータ側のスペックに制限を掛けハンディを付けるんだ。
 コンピューター対棋士の対局は、今までその時点で比較的ハイスペックなコンピューターを利用して来たと思うのだけど、敢えてそのスペックと一手を指すまでの時間に制限を加えるんだ。」
「それで棋士と対等に出来るの?」
「AIによる評価を見ていると、コンピューターでも一瞬にして最善の手を見つけ出している訳では無い、だからコンピューターが最終判断を下すまでの時間に制限を加えれば確実にその勝率は下がるだろうし、そこを調整しながら棋士と戦わせたら面白いと思ってね。
 人間が勝てなくなったハイスペックなコンピューターではなく、微妙に制限の加えられたパソコンとの勝負をプロ棋士がしたら、また違ったものが見えて来る様な気がしてさ。」
「う~ん、棋士の皆さんにとっては微妙じゃないのかな…。」

2021-02-12
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「ふと思ったのだけど、パラリンピック競技ってある意味特別ルールの塊みたいなものでしょ。」
「確かにそうだな、ハンディに対して配慮してきた結果のルール…、しかしハンディには個人差が有って難しそうだよな。」
「階級が色々分かれていて…、ただ、公平さを追求しても限界が有ると感じるわ、目に見えるハンディだけでなく国の環境による差が有るし、個人の経済的事情とかも関係するのだから。」
「だな、道具の差で勝敗が決まってしまうとしたら残念だ。
 まあ、道具のサポートも含めての競技と言う事かも知れないけど。」
「水着によってタイムが変わってしまうとか、新記録が出るのは個人の能力向上だけでなく道具の性能向上も関係してるのよね。
 ほとんどのスポーツではウエアを含め何かしらの用具を使っていて…。」
「ルールでのコントロールが難しくなって来てるとも感じる。
 それと昔のオリンピックはプロスポーツと距離を置いていたのが今は大きく変わってしまい、肥大化しお金儲けの祭典となってしまった感が有って、参加することに意義が有るのだろうけど、その意味が大きく変わってしまって、どうかと思うよ。」
「それでも多くのアスリートが目標としてるからやめられないのでしょ。」
「いっそ四つに分割し春夏秋冬、それぞれに種目を振り分け四年に一度だけどオリンピックは毎年開催とかどうだ?」
「あっ、一回の規模を小さめに出来れば開催に対するハードルは低くなるし毎年楽しめる。
 組織としては今より儲けが増えるかもね。」
「そこなんだよな、何の為のオリンピックなのか…。」

2021-02-11
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「ねえ、特別ルールと言うカテゴリーで考えるのなら、幼い子に将棋を教える時、わざと負けて上げると言うのも同じでしょ。」
「ああ、まさしくそうだな。
 初めから負かされてばかりで将棋を好きになるなんて子がいるとしたら、他に邪な楽しみを与えられているとしか考えられないぞ。」
「でも、わざと負けるって微妙よね。」
「微妙か…、確かにわざと負けて貰ってると感じたら逆に面白くないと思う子もいるだろう、ただ、プロ棋士でも五歳ぐらいから始めたと言う話を耳にする、わざと負けて貰ってもそれに気付かなかったり、気にしない年頃なら問題がないのかもな。」
「そうよね、小学生でも高学年になると…、将棋は元々頭の良い子がのめりこむゲーム、頭の良い子ならわざと負けて貰うことに抵抗を感じるかも、かと言って負けてばかりだと…、でも相手次第では普通に勝ててのめりこむのかしら。」
「まあ、人それぞれだろうな。
 藤井聡太さんの場合は最初に相手をしたお婆さんにはすぐ勝てる様になったそうだけど。」

2021-01-16
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「亜紀、ふと思ったのだがスポーツが苦手な人や初心者の為の特別ルールって関係者の人達はどの程度考えてるだろうな?」
「特別ルール? 例えば?」
「野球ってさバットを振っても当たる気がしないんだ。
 だから、直ぐに嫌になってしまうと思う。
 でも、練習時の特別ルールで、ピッチャーがバッターに打たせることが出来たら3ポイントとかにしてさ、そうだな、かすらせたら1ポイント、ファールは2ポイントでも良い。
 要は下手な子でもバットにボールを当てる所から、特別ルールの練習試合で始めると言う感じ。
 打たせない様に投げるのも大切だけど、打たせようと思いながらコントロールを気にし、フォームを見直せる子の心に、下手なバッターに対する優しさが芽生えたら素敵だと思うな。」
「試合にする必要が有るのかしら?」
「勿論必要さ、練習する楽しさは有るだろうがゲームの方がより楽しいだろ。
 ある程度打てるバッターには、二塁手が捕れる打球を打てたら3ポイントとか、打つ方向を指定。
 捕球者の力量に合わせて丁度良い練習になる打球を打てたら9ポイントとか、シートノックの代わりとしてね、練習でもポイント制ならゲーム感覚になる。」
「なるほどね、練習を面白くする工夫と言うことなのね。
 でもポイントの計算が面倒じゃない?」
「小学生ぐらいなら面白がって足し算するさ、かえって複雑なルールした方が面白いかも。
 野球の練習をしながら頭も鍛えられるとか。」
「そっちに気を取られて野球が上達しなかったら?」
「まあ、特別ルールの練習ばかりではないからな。
 考えようによっては、どんなスポーツでも特別練習試合用のルールを考えられそう、亜紀も考えてみてくれよ。」
「暇が有ったらね。」

2020-12-10
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「バレーボールはな…。」
「バレーボールも苦手なのね。」
「手が痛くなるし、そもそもこっちに飛んでくるボールって避けるものだろ。」
「それは、弱い人のドッジボール、上手くレシーブ出来たら気持ち良いじゃない。」
「出来たらね。」
「輪を作ってレシーブやパスの練習をするだけでも楽しいわよ。」
「手が…。」
「この軟弱者!」
「まあ、軟弱者でも、いや軟弱者だからこそ初心者向けのルールが考えられる訳でね。」
「考えてみたんだ。」
「亜紀は何か考えてくれた?」
「最近忙しいのよね。」
「考える気はなしか…。」
「それでバレーボールの特別ルールは?」
「勿論相手が捕れるサーブを打てたらポイントだな。
 レシーバーは飛んで来たサーブの難易度によって加点とかフィギュアスケートスタイルでどう?」
「審判が大変そうね。」
「練習の一環なのだから指導者の裁量で良いのさ、取れなくても頑張ったら加点とかで。
 競技への第一歩はそのプレイを楽しめるかどうか、惜しいって言われたら次は取るぞって気になるじゃないか。」
「なるんだ。」
「私は手が痛くなるから除外してくれな…。」

2020-12-16
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「スポーツは全然ダメなの?」
「そうだな、バドミントンならレクリエーションでやってるお婆さんには勝てた。」
「お婆さん相手で過去の話?」
「今は腰や背中が痛くて無理だな。」
「は~、情けない…。」
「でも、バドミントンは一度子どもに教えた事が有ってね。」
「子ども相手ならってことなの?」
「まあな、全く基礎を知らない子達が試合っぽくやってたのだけどバドミントンになってなかった、ラリーには程遠くてね。
 だから、まず大きく相手が捕れる様に打つことを教えたんだ。」
「基礎中の基礎か。」
「そしたら、打ち合いが続くのが楽しくなったのか喜んでね。
 バドミントンの特別ルールは打ち合いを何回続けられるかに挑戦することなんだ。」
「それは分かるわ、でもそれだけでは上達出来ないでしょ。」
「勿論さ、そこに打ち方のコツとかの指導が有るか無いかで羽根つきとバドミントンに分かれて行くのだと思う。」
「その子たちはどうだったの?」
「直ぐに打ち合いを続けられる様になって、まあ、捕り易い所へ返してあげるのが初心者に対する指導のポイントなのだけど。」
「初心者の相手は出来たんだ。」
「まあね、バドミントンは手が痛くならなくて良いスポーツだと思うよ。」
「結局、そう言うことなのね。」

2020-12-21
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2020-12-10
2021-03-10 更新

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